前浜に塔婆を立てる新亡の供養
どんな伝承か
鳥羽の国崎は、もと志摩郡長岡村に属した浦である。ここでは盆月の七日から、ウラボンにあたる二十四日まで、鎧崎に向いた前浜で新亡のための供養が続いた。行うのは婆さんたちの仲間で、その年に亡くなった者の数だけ塔婆を立て、「茶屋をたて」で始まる文句の念仏を唱えたという。三日で終わる菅島の大念仏に比べ、期間がはるかに長い。瀬川氏の『日間賀島民俗誌』が、昭和十三年の見聞として伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。