渾名の神仏の例
どんな伝承か
京都の寺院に祀られた仏像には、俗称で呼ばれるものがいくつかある。寺町通仏光寺下ルの乗願寺の本尊阿弥陀仏は、前歯が露わになった作りであることから、俗に「歯仏」と呼ばれた。また御前通一条下ルにある阿弥陀仏は、もと豊臣秀吉の愛妾松丸殿が帰依したもので、秀吉が出陣のたびに笈に入れて携えた陣仏であったことから、世に「軍戦勝利如来」と称されたという。
原典より
* **齒佛**(京都、寺町通仏光寺下ル、乗願寺):本尊阿弥陀仏は前歯の露見するを以て俗に歯仏と称す。—— 迷信の研究(富士川游(監修)・富士川游・医学史/迷信研究・昭和初期) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の研究(富士川游(監修)・富士川游・医学史/迷信研究・昭和初期)
医学者・富士川游が監修した『迷信の研究』。迷信を医学史・民俗学・心理学の立場から体系的に分類・解説した大著で、二百数十項目にわたる。總體では迷信の定義・歴史・階段・根本(原始的宇宙観)・暗示・妄想・科学との関係・心理(錯視現象)・光明面(フレーザー)を論じる。身體では人体十二宮・七曜・五行配当、厄歳とその俗説、相生相尅・男女相性・有卦、女が夫を殺すとされる丙午の迷信と天明・弘化のさとし書を扱う。