でかい野郎が消えるムジナ
どんな伝承か
昭和十三、四年の頃、残業で夜遅く帰ってきたときのことである。今の東京化研の先の曲がった坂のところで、静かな晩だなどと独り言を言いながら、下を向いて自転車を押して上ってきた。ふと頭を上げると、自分より一回り大きな男がのっそりと突っ立っていた。たまげて『黙っていないで何とか言ったらいいだろう』と声をかけて通り過ぎ、後ろを見るともういない。ぶるぶる震えてしまった。あれはムジナが化けて出たのだと思ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史・自治体史(民俗))
『取手市史 民俗編2』第四〜六節所収の伝説・不思議な話・祟り。茨城県取手市に伝わる口承を採録する。