偽の汽笛を鳴らすムジナ
どんな伝承か
鍵屋の主は船の曳き船をして、ここから運河まで行き来していた。あるとき、帰る時間になっても戻らないので家の者が心配していると、ボーボーと汽笛の音が鳴った。『ほら、父ちゃんが来たぞ、戸を開けろ』と言って開けてみても、何もいない。帰りは蒸気船の通運丸で戻ると聞いていたので、その汽笛だと思ったのである。あれはムジナのいたずらだったのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史・自治体史(民俗))
『取手市史 民俗編2』第四〜六節所収の伝説・不思議な話・祟り。茨城県取手市に伝わる口承を採録する。