正月二日に城下を練る木の男根
どんな伝承か
信州には道祖神の祭りに男根を持ち出す習俗が伝わっていた。埴科郡の東条村では、二尺五寸もある自然石の男根を村で回り持ちにし、当番の家の主人がこれを床の間へ飾って、村人が集まり飲み食いをしたという。同じ郡の松代の城下では、明治維新のころまで木を削った男根をいくつも備えており、正月二日になると若い衆がそれをかついで町なかの家々を練り歩いた。そのとき彼らは「コケヤコケヤ今夜コケ、ヨンベコイタハコケソクネ」と大声で囃し立てながら回ったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。