張り子の男根で嫁を責める産のまね
どんな伝承か
水沢での産のまねごとは、いっそう露骨だったと森口多里が報告している。赤子に見立てる物は人形に限らず、餅や大根でも代用した。ときには張り子の男根まで持ち込み、子のない嫁を押さえつけて、「それ生せ、やれ産め」と責め立てることもあったという。子を授かるよう盛大に祝いこめば神が感応して同じ結果をもたらす、という考えに支えられた作法である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。