山男に連れ去られ妻になった女
どんな伝承か
昔から、人が忽然と消えるのは天狗や鬼、山男、狐のしわざだといわれてきた。ただし、なぜ妖怪が人をさらうのかを説き明かした言い伝えはほとんどない。柳田国男が遠野で集めた話のなかには、山男に連れ去られてそのまま妻になった女の一件が残っている。神隠しに遭うのは幼い子どもが多いから、これはむしろ珍しい部類に入る。消えた者は履物をきちんと揃えていったり、一度だけ姿を見せてまた消えたりする。そうした様子から、さらわれた者は人の目には映らない別の世界へ引き込まれるのではないかと考えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
王権の呪術的起源(ジェイムズ・G・フレイザー・近代(人類学)/日本民俗)
人類学者J・G・フレイザーの王権論『王権の呪術的起源』全9講に、日本民俗のエッセイ(第六天の魔王・ひのえうま・三隣亡・一つ目小僧・即身仏・縁切り榎・神隠し・相撲・河童)を合本した書。