ハサミを供えて悪縁を断つ脱衣婆
どんな伝承か
南会津の檜枝岐村には、悪い縁を断ってくれる神としてハシバノバンバが祀られている。名は橋のたもとの婆という意味で、三途の川べりで死者の着物をはぎ取るという脱衣婆のことである。村に安置された像は高さ数十センチの石造りで、片膝を立てた老婆の姿をしている。死者から衣を剥いで現世とのつながりを断つ役目から、縁を切る力を持つと考えられるようになったのだろう。願をかける者はハサミを供える。ものを切るハサミの働きが、そのまま縁を切ることに重ねられているからだという。ただしこの神は、願った者にだけ力を貸すと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
王権の呪術的起源(ジェイムズ・G・フレイザー・近代(人類学)/日本民俗)
人類学者J・G・フレイザーの王権論『王権の呪術的起源』全9講に、日本民俗のエッセイ(第六天の魔王・ひのえうま・三隣亡・一つ目小僧・即身仏・縁切り榎・神隠し・相撲・河童)を合本した書。