葉山での二重身 - 女の子救助事件
どんな伝承か
Iさんが十六歳ごろの夏のこと。裕福な家の別荘が葉山の森戸にあり、彼は毎日、森戸神社の浜で泳いでいた。ある日、沖の小島のあたりで溺れかけている女の子を見つけ、海に飛び込んで助け上げた。その夕方に遊びに来た友人三人が、昼間ふらふら歩いていたのはどうしたのかと尋ねる。救助の話をすると三人は首をかしげ、ずぶ濡れの水着姿のIさんが七歳ほどの女の子を抱いて葉山郵便局の前を通り、呼んでも振り向かずに橋のほうへ去っていったと言い張った。その時刻、本人は海で必死に泳いでいて、その日は町へ一歩も出ていない。それなのに友人たちは、彼と女の子の水着の色まで言い当てたという。
原典より
七つぐらいの女の子をだいてはいたが、ぼくたちに会ったのは葉山郵便局の前なんだぜ。—— (亀山龍樹・若い広場) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません