日暮里と川口に同時に現れた霊能者
どんな伝承か
筆者が日暮里に住んでいたころ、同じ家に四十代の霊能者、日華女史が暮らしていた。ある日、筆者は川口の八百屋へ手当て療法に出かけ、座敷から表を眺めていると、日華女史と寸分違わぬ装いの婦人が通り過ぎた。赤い着物の袖口までそっくりで、行っては戻り、また行っては戻る。日暮里へ帰ると、女史は出かけたときと同じ場所に座っており、開口一番、見に行ったのに気づかなかったようだと言った。同席していた家主も病人も、女史は一歩も動いていないと証言する。倒れも意識を失いもせず、平常のまま二か所に現れたところが不思議だと筆者は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。