コレラを退ける百万遍の念仏
どんな伝承か
かつてこの地方では百万遍という行事が広く行われていた。村人が集まって南無阿弥陀仏を百万遍となえ、夏に襲ってくる疫病を防ごうとするもので、土用のころに営まれた。行幸田で明治の中ごろ、コレラが流行したときに行われたのは、まさにその病を退けるためであった。ただしそれ以外の場合は地蔵さまの行事に付随して行われている。この土地は地蔵行事が盛んだったので、百万遍もそちらへ吸収されてしまったのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ・1980年代-1990年代推定)
本書は群馬県渋川市の民俗編として、地域に根ざした信仰体系と死生観を記録した資料である。民間信仰と俗信を既成宗教以前の下部構造と位置付けた上で、死の前兆(人魂現象、予知)、生死の境での異世界体験、死後の蘇生・生き返り、転生輪廻などの多様な事例を収集している。特に行幸田地区では生き返り事例が集中し、地域固有の信仰と関連する可能性が高い。