大和郡山市の病院前でタクシーを拾った乗客を…
どんな伝承か
回答者・松谷みよ子が伝える、奈良県生連寺の時岡秀雄が若い日の河波昌から聞いた話。ある病院の前でタクシーを呼び止めた人を、運転手は大和郡山市のどこそこまで乗せた。家の前に着くと客は料金を払わず家の中へ入り、なかなか出てこない。運転手が家に入って料金を求めると、家人は怪訝な顔で「そんな人は入ってこない」という。押し問答していると電話が鳴り、病院に入院中だった家族が亡くなったと知らせが来た。タクシーに乗った客は、その死者だったのである。運転手は料金をあきらめて家を出た。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。