先妻の頼み・玉をのめず
どんな伝承か
群馬県利根郡池田村の藤井は、家の後ろに山を背負ったような山根にあり、畑も田も墓も家の周りにある小ぢんまりとした所である。ここに土木業の宮田市作がいた。妻が九人の子を残して世を去り、市作はすぐに再婚したが、後妻は子供たちへの愛情が薄かった。半年ほど過ぎたある日、後妻はふとしたことから病んで息をしなくなり、一時間ほどして「ああ苦しかった」と起き上がった。先妻のおとりが来て赤い小さな玉を渡し、これを飲まねば行けぬと言うので飲もうとしたが喉につかえ、後についていくと第三の門でおとりだけ入って扉が閉まり、置き去りにされたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。