通夜の席で蘇生した母が見た亡き娘
どんな伝承か
宇都宮市の杉原好子さん(四十歳)は、駆けつけた娘と長男の呼びかけもむなしく息を引き取り、遺体は自宅に運ばれて通夜が営まれた。母は必ず生き返ると信じた高校生の娘は遺体のそばを離れず、午前一時になって遺体が動いたと叫んだ。父はたしなめたが、死後二十時間を経て好子さんは本当に息を吹き返し、死亡と蘇生を見届けた医者も首をかしげた。好子さんによれば、枯れ木の立つ赤い砂漠のような所を歩くうち、四歳で車にはねられて死んだ娘クミちゃんの声を聞き、事故の時の姿で草むらに倒れているのを見つけたが、どうしても近寄れなかった。やがて足もとが崩れて落ち、気づくと棺の中にいたという。
原典より
息をひきとってすでに二十時間もたっているというのに、好子さんが息を吹き返し、生き返ったのだ。—— 霊魂の謎-新版タナトロギー入門(中岡俊哉・1990年(平成2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の謎-新版タナトロギー入門(中岡俊哉・1990年(平成2年))
『霊魂の謎-新版タナトロギー入門』は、昭和四十八年に新書版で出た『タナトロギー入門』を、中岡俊哉が文庫化にあたって大幅に加筆・訂正した心霊研究の本で、まえがきは一九九〇年九月付である。著者自身の霊体験から説き起こし、背後霊・地縛霊・騒霊・悪霊・祖先霊・金縛り・淫霊の事例、臨死体験と転生、死者の声の録音や自動書記、恐山のイタコ、心霊治療、心霊写真の鑑定を国内外の例で述べる。まえがきでは「七疑三信」という著者の調査の立場を語っている。