病むたび夢に現れて育つ猫
どんな伝承か
夫が拾ってきた猫を、夫は酒に酔うたびひどくいじめた。見かねてかばい続けたが、猫はやせ細り、いつのまにか姿を消してしまう。ほどなく夫も病で亡くなった。それから何度も病を得るたび、夢に猫が現れてしつこくまとわりついた。ようやく振りほどいて安堵したところで目が覚め、その日を境に決まって病は快方へ向かう。毎度同じことが繰り返されるうち、夢の猫が回を追って大きくなり、毛の色つやまでよくなっていくのに気づいたという。昭和五十五年の夏に高熱で苦しんだ折には、堂々と太った猫が横向きに座っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。