訃報を先に告げた夢見の婆
どんな伝承か
昭和三十四年十二月の話。近所に盛岡婆さまと呼ばれる人がいた。若い頃に盛岡で芸者か酌婦をしていたことからその名で呼ばれ、この人の見る夢は外れないと評判だった。ある朝、婆さまが突然家に上がり込んできて、お母さんがお亡くなりになったそうでお悔やみを申し上げます、と挨拶した。病で床についていた母は苦笑し、まだ死ねずにいると答えた。婆さまは慌てふためいて帰っていったが、その二日後、母は心臓発作で世を去った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。