死の間際の詩人と歩いた正夢
どんな伝承か
昭和五十五年五月二日の夜、語り手は夢を見た。詩人の佐藤十弥夫妻と佐藤三郎の三人に付き添い、夕日の赤く映える日和山公園から市立図書館、本間美術館へと歩いて回っている。夢のなかで十弥は、癌に冒されてあと何日生きられるか分からないので酒田を見ておきたいと言った。後で聞くと、十弥はまさにその日から容態が悪くなり、そのまま亡くなったという。正夢だったのだと思うと無念でならない、と語り手は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。