船宿でマッチを化物と見た芸妓
どんな伝承か
四、五日前の夜、柳橋のある船宿での出来事。日本橋あたりの商人が、小熊という芸者を呼んで遊んでいた。座敷の灯を消してしばらく経ったところで、一人が懐からマッチを取り出して火を点けようとする。芸妓はそれを化物と思い込み、あっと一声あげて気絶してしまった。医者を呼んで手を尽くし、ようやく息を吹き返したという。歳の暮れの一笑いとして新聞が伝えた話である。
原典より
回答者・中村博(東京都在住)。—— 現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。