さて、昔、さじの奥の方に住んでいる、八っつあんという
どんな伝承か
鳥取県八頭郡佐治村の奥に住む与太という男が、用瀬に出て町の人から電報という新しい通信手段の話を聞いた。遠方への用事も飛脚や手紙よりずっと早く届く、電気が持って行くのだと聞いた与太は、鳥取に奉公に出ている娘に便りをしたくなり、早速手紙を書いて近くの電柱に登り、電線に結びつけた。それでも気がかりで翌朝早く確かめに行くと手紙がなく、「なんという早さだ」と喜んだという。実は前夜の大風で近くの田圃に飛ばされていたのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。