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どんな伝承か
明治の初め頃、淡路島のあちこちで激しい腹下しの病が流行った。今でいう赤痢だろうという。避病院などなく、一つの井戸を何軒もで使う暮らしだから次々にうつった。権六はんも赤痢にかかったが、多くが死ぬ中で助かり、すっかり良くなった。ところが邏卒が来て、体を清めねばまた広がるとお上の命令を持ち出し、村役人も加わって無理やり風呂を焚いた。硫黄という黄色い粉を入れ、虫を追い出すのだといって周囲を密閉し、下から火を焚く。一時間、二時間と出してもらえず、権六はんは死にものぐるいで戸に体当たりし、裸のまま外へ転げ出たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。