淡路西浦街道
どんな伝承か
淡路では厄年に厄神へ参り祝宴を張る風習がある。三年前、六十一歳になった林さんは島外の厄神に参拝し、親類宅で一泊して翌日淡路に戻り、日暮れ頃に帰途についた。だが家に戻らず、富島川の橋のたもとで死んでいると知らせが入る。轢き逃げと分かったが犯人は不明だった。半年ほどして、ここを通る最終便のバスの一番後ろの座席に、うつむいた男が誰もいないはずの席に乗るようになり、運転手も恐れ、乗客は後ろに座らなくなった。バス停を二つ三つ過ぎると男は消えるという。厄神参りの帰りは人と話したりよそへ立ち寄ってはならないと昔から言われる。
原典より
郡山のタクシーの運転手をしていた湖南の人の話。—— 現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。