隠岐郡知々井の部落で、語り手と母が親類宅の宿泊を勧めら…
どんな伝承か
語り手が母と親類のところへ行き、泊まれとずいぶんせめられたが、家に客もあるので帰ることにした。知々井の部落を出しなに、また猫がスッと横切った。そこへ郵便夫が来て、自分は毎晩ここを行き来しているから何ともない、あちらへ連れて行くと言い、ずっとついて来た。西の部落の上まで来ると、ここを下がればすぐヤシキという親類の家があると教えられたが、二人はとっとこと反対の方へ行ってしまった。戻ると大きな梅の木の下に、大きなおじいさんと小さなおばあさんがいて、行き先を尋ね合ううち、見上げるとおじいさんはいくらでも大きくなった。郵便夫の話と食い違うのに気づいて「ワァッ」と叫ぶと、あたりが明るくなり親類の家が見えた。夜中の一時頃だったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。