賀陽良藤と妖狐
どんな伝承か
『今昔物語』に載る賀陽良藤の話。備中国賀陽の郡に住む賀陽良藤は、妻の留守中に家の前を通りかかった美しい女に心を奪われ、その女の家に上がり込んで夫婦の契りを結び、住みついてしまう。楽しい日々を過ごして男の子までもうけるが、ある日、杖をついた者が入って来ると家の者は恐れて逃げ去った。杖の者は良藤を救うために現れた観音の化身であった。我に返った良藤は、狐に化かされていた自分に気づく。女の家と見えたのは自分の家の蔵の下のわずか四、五寸の空間で、十三年過ごしたと思ったのに、失踪していたのはわずか十三日間であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)