高田の大工又兵衛と行逢った大人
どんな伝承か
東部日本の諸県でオオヒトといったのは山人のことであった。その異説の一つとして北越雑記巻十九に次の話がある。高田の大工又兵衛という者が西山本に雇われていたが、ある夜急用があって一人で山道を帰ったところ、険しい路の引き回った処で図らずも大人に行き逢った。その形は裸身で、身の丈は八尺ばかり、髪は肩に垂れ、眼の光は星のようで、手に兎を一つ提げて静かに歩んで来る。大工が驚いて立ち止まると、その大人もまた驚いた様子で立ち止まったが、ついに物も言わず、路を横切って山に登り走り去ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。