君ヶ畑の政所茶と茶もみ歌
どんな伝承か
近江の東小椋村はもと国境近くの広漠たる山であったが、木地の原料を足利時代に伐り尽くし、ある者は他国の山を求めて出、残った者は跡地を経営して畑を作り、炭を焼き、また茶を製して今日に及んだ。小椋のいわゆる政所茶も六ヶ畑の野生の茶を次第に培養したもので、後には玉露までを産出した。木地師の往来のついでを利用して、その茶は遠国までも売り出された。本居宣長が採録した君ヶ畑の茶もみ歌に「こいで揉む茶が秋田へくだる、秋田女郎衆にふらりよかよ」とある。ふるとは茶筅を用いて番茶の泡を立てて飲むことをいうと柳田は説く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。