下駄をはく者のいない小下田村
どんな伝承か
小下田は一村が絶壁で浜がほとんど無い。僅かな海端に人家があって、ここに一村の漁舟を置く。村は高い丘の上にあり、田もあるが養蚕を主として、一村で一万石の繭を出す。この村にも本年から所謂商会ができたが、商人の泊るべき家が無く、村の会所という堂のような建物の中で寝るのだという。村の道は石高くて、下駄をはく者は一人もいない。山の頂上まで畠と人家とがある。伊豆第一の僻村と言った人がある。気の毒な話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。