宇久須沖の漁船が船へ送る信号
どんな伝承か
五月二十二日、朝六時に沼津へ還るという松丸に乗った。宇久須のあたりで、海上の漁船から小旗または笠などを高く掲げて信号する。今捕れた魚を、すぐにこの沼津行きの船に運ばせようとするのである。魚はサンマ、またサメなどもある。片はしにいる船員がニダシ(煮出し)を貰え貰えとわめくと、漁夫たちは小魚二、三尾をくれて機嫌を取るのである。こうした出来事がこの航海中に二、三度あった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。