大沢里祢宜之畑(旧仁科村)
どんな伝承か
明治の頃の話。駿河湾に注ぐ仁科川の上流は山が川近くまで迫って平地がほとんどなく、人々は沢沿いのわずかな平地に水田を開いていた。田植えの時期には数頭の馬が方々の水田を回って代かきに働いた。その日も仕事を終えた農夫が、仁科川の大淵と呼ばれる淵の水辺で、泥まみれの馬の背を縄たわしでこすっていると、突然馬がいなないた。馬の尻に大きな河童がぶら下がっていた。農夫は馬を放り出して逃げ帰り、馬は河童にシンゴウを抜かれて力が入らず、使いものにならなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。