厩の天井に吊るされた河童
どんな伝承か
『天草島民俗誌』に載る河童駒引の一例。天草郡大江村の農夫が、田の泥で汚れた馬を川で洗い、岸の木につないでおいた。そこへ河童が現れて手綱を引こうとしたので、馬は驚いて厩へ一散に逃げ帰った。追いかけた農夫が見ると、手綱の先に河童が巻きついたままだったので、これを捕らえて厩の天井に吊るした。翌日、下男が馬の水を運んでくると河童はしなびていた。哀れんで水をかけたところ、たちまち力を取り戻し、縄を切って逃げ去ったという。河童は頭の皿の水を失うと力をなくすとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。