尾張津島の御師と馬の絵札
どんな伝承か
内郷村では以前は助郷の伝馬を出し、駄賃づけの馬も若干飼っていたが、今ではほとんど牛ばかりを飼うようになっている。それにもかかわらず昔の馬神信仰が形ばかり残っていて、飾馬だけを版絵にした津島の絵札がある。今でも毎年、尾張の津島から髭の長い御師が巡って来てこの札を置いていくのを、牛舎の柱に、また牛馬のない家では入口にも貼っておく。この御師が贋物でない証拠は、今でもこの社に参詣する村民が御師の家を宿坊にしていることだという。この他に武州御嶽や相模の阿夫利山からも札を配り、伊勢の御師は万金丹売となって今でも毎年来る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。