内郷村のオソウデンサマ
どんな伝承か
内郷村へ来てから今日で三日になる、と柳田は書き出す。この村でオソウデンサマというのは、台所の一隅の高い所にある小さな神棚で、他の地方の荒神さまのようなものである。同じ郡の根小屋村に住むイチコという者が、毎年暮に人を近郷に廻らせて配る絵札を、ここに貼っておく。鳥居の前で壮丁が馬を曳く図で、御乗込みといって、その馬の首が内に向くように貼りつけるのを良いとしている。根小屋のイチコは同時にエビス大黒の札も配らせるが、エビス大黒は二組は受けぬものだといい、すでにある家ではこの御札は断って受けないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。