深田・小五郎の炭竈跡と家伝の花炭
どんな伝承か
近年は石仏によって一層有名になった、臼杵の城下に近い深田の里には、炭焼小五郎が焼いたという炭竈の址があり、岩の崩れの間から炭の屑の残片という物が無数に出る。長者の後裔と称する家には、俵のまま焼けた炭が二俵と鉈などを持ち伝え、一年一度の先祖祭にこれを陳列して人に見せる。あるいはまた家伝の花炭と称して、七十八代の間連綿としてこれを製したという由緒書も伝わっている。すなわちある特定の家族においては、この物語は今も決して単純なる文学ではないと柳田は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。