作大能・阿檀の木の飢饉亡霊
どんな伝承か
名瀬の近くの作大能というところで、ある時の飢饉に男女が山に入り、苺や阿檀の実を採り尽くして食べたが、野山にはもう何も食べる物がなくなり、数十人の者が阿檀の木に首を吊って死んだ。それ以後、毎年その月頃になると亡霊が出て来て、何とも言われぬいやな声で唄を歌ったといい、その唄がいくつも伝わっている。文化年間の記録によれば、佐念と朝戸の両村も同様に人家が絶えたとあり、これらは享和の頃の凶作の結果であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。