田を血に染めた大蛇と蛇田
どんな伝承か
奈土には、かつて大蛇が棲みついていたと伝わる。この蛇が這い出すたび、通り道の稲や作物はことごとくなぎ倒され、百姓たちは手の施しようがなかった。堪えかねた村では相談のうえ退治を決め、蛇が姿を現した折に総出で襲いかかって仕留めたという。何しろ並外れた大きさだったから、流れ出た血で周囲の田は一面が赤く染まったと語られる。以来その田は蛇田の名で呼ばれるようになり、地名として今に残っている。
原典より
この蛇が姿を見せるときは、通った後の田畑の農作物が根こそぎ倒れるので村人は大変困っていたのである。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大栄町史 民俗編(大栄町)
『大栄町史 民俗編』は大栄町の町史の民俗編で、ここに収められているのは第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分だけである。北総台地にある町内の地区ごとに、源頼朝の鞍掛けの松、城主大須賀氏・伊能氏の話、弁天様と道祖神、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者の話、古墳の埋蔵金の話などを伝える。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐に化かされた体験とムジナの火の話を「〇」の箇条で並べる。