25. 猫の芝居
どんな伝承か
むかし豊後高田の草地村の古城という山の中の部落に、小さな寺があった。和尚が法要の帰り、夜おそく山路を歩いていると、お稲荷さんの小さな祠のなかが騒がしい。そっとのぞくと大ぜいの猫が集まって芝居を見物しており、舞台では判官に扮した猫が切腹しようとしていた。遅れて花道からとび出した白い猫は、寺で飼っているタマであった。雑炊を食べていて遅れたと科白を述べ、見物の猫は大喜びした。翌朝、和尚がゆうべの由良之助は見事だったと褒めると、タマは恥ずかしそうに首をたれ、そのまま姿を消して二度と戻らなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大分県の民話 第3集(土屋北彦・大分県の民話シリーズ・昭和期(推定:20世紀中盤))