桶の水をかぶる彦山山伏の門付け
どんな伝承か
小倉の町へは正月になると彦山の山伏が下りてきて、一本歯の高下駄で辻々を巡り、法螺貝を鳴らして家ごとに祈禱をした。道原にも明治の末ごろまでは年に一度は姿を見せた。田野浦や大里本町では、山伏が来ると家々が水を張った桶を門口へ出し、山伏は呪文を唱えながらその水をかぶって身を清め、竈の前で荒神経をあげて頼まれた祈禱を行った。礼として米を五合から一升ほど、あるいは銭を包むと、護符や祈禱の札を置いていった。下香月へは十二月から一月にかけて訪れ、千々和義信の家を常宿にしていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
北九州市編『北九州市史 民俗』を全354話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。