円井池
どんな伝承か
山中に古池があり、周囲は三十間ほどで、清水が一年中涸れたことがない。昔、円皇女が池のほとりに住み、池の魚を子供のように愛したという。ある日、姫が犬を連れて山へ行き、夕方帰ってくると、いつも出迎える魚が一匹もいない。見れば二、三人の漁夫が向こう岸で池の魚を捕っている。姫は腹を立てて制したが聞き入れないので、やむなく争い、片方の目に怪我をしながらも漁夫を追い払って魚を助けた。村人は池畔に姫の霊を祀り、毎年十月二十四日に祭を行った。祭では逆杭を打ち、ぬるでの木で三炉を造り、法印が護摩を焚いて呪文を唱え、行灯の火を消し、御幣を池に鎮める鎮火祭である。以来この池の魚は皆片目だという。
原典より
山中に古池があって、周囲が三十間ぐらい、清水が一年中かれたことはない。—— 韮崎市の民話伝説(昭和四十二年(1967)刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(昭和四十二年(1967)刊)
山梨県韮崎市(穴山・穂坂・清哲・神山・大草・藤井・竜岡・中田・円野ほか各町)に伝わる伝説・民話を、木/石/水/塚/坂・峠/山/谷・沢/屋敷跡・城址/祠堂/その他 の各部門に分類して集成する。武田信玄・勝頼ら甲斐武田氏や新府城にまつわる伝承、日本武尊・源為朝・弘法大師の旧跡、御神木や霊石・霊池の怪異、稲荷・地蔵・観音の霊験、狐狸むじな・河童・鬼の昔話など、韮崎の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地区つきで網羅する。