坂下に灯る識名の遺念火
どんな伝承か
首里の池端は、かつて向かい側を真地、こちら側を街端と呼び、あわせて真地端といった土地で、戦後に池端の名になったという。市場が立って賑わうこの場所へ、識名から一人の女が豆腐を売りに通っていた。器量がよいので、ある者が面白半分に、お前の妻は男に連れられて行ったと夫に告げる。真に受けた夫は身を投げて死に、それを知った妻も後を追った。以来、夫の亡魂は妻の帰る刻限になると提灯を掲げて迎えに出るといい、那覇から来ると坂の下に識名の遺念火が見えるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。