イナディオンノー
どんな伝承か
昔、イナディオンノーという大変な手ききがいた。ヲゥランという所に牛を置いていたが一頭ずつ消えるので、人が盗っているのだろうと考えた。亀津へ用があった帰りに見に行くと、目印に残しておいたアブェシャ牛がいない。爪あとをたどると、上手のノーンカという川にヒアゼが七人いた。イナディオンノーは家へ走り帰って弓を取り、破れ着物を着てカゴをかつぎ、蟹あさりを装って上って行った。牛を殺して担いでくる者たちに肉を分けてもらう振りをしながら弓を構え、七人を一本の矢で串刺しにして射殺したという。男七人女二人の九人をことごとく殺したので、以後は牛が盗られることもなくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。