洗濯物を追って善光寺まで
どんな伝承か
狭山市下奥富の佐藤つるが語った昔話である。信心の薄い婆さんが川で洗濯をしていると、そこへ牛が来て、洗い物を角に引っかけたまま走り去った。婆さんは取り返そうと必死に追いかけ、気がつけば信州の善光寺まで来ていた。そのまま牛に引かれて参詣を果たしたわけで、だから善光寺では今も牛をたくさん飼っているのだ、と語り納められる。「牛にひかれて善光寺参り」として広く知られる話で、関東各地では断片的な形で語られていると採録者は註している。
原典より
昔ね、信心ごころのない、おばあさんがあって、川で洗濯べえしとった。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載))
『狭山市史 民俗編』のうち「五 伝説・昔話・世間話」を収録した一次資料。昭和五十年代に堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で座談会・聞き取り調査を行い、明治〜大正生まれの古老から採集した口承文芸を、見出しごとに原文に近い形で記録する。