百済王の漂着
どんな伝承か
百済国王が流されて油津に着いた。住みかを定めようと眺めると、北の山の上に五色の雲が舞い上がった。小姓一人を連れて雲を目印に分け入ったが、険しい坂で小姓は疲れてぼんやりとなり、王が水を口に注いでやると生気を取り戻した。これより小姓坂という。一晩泊まったところをシク野という。さらに深山の岩屋で休むと田野の八人が話しかけたが言葉が通じず、王は黙っている。蔦でしゃくり舞をしたところ王は笑った。それから田野に仮殿を建てた。田野大宮しゃらくり舞はこれである。王が百済で飼っていた鶴が飛んで来て仮殿を守護したという。王は月毛の駒を好んだが、あるとき馬とともに井戸にとびこんで死に、それより田野では月毛の馬を禁ずるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。