法論石
どんな伝承か
山梨県南巨摩郡増穂町小室の土録に、間口一丈二尺、奥行六尺、高さ七尺の大石がある。文永のころ、真言修験者の善智法印が小室山妙法寺の住職であったところへ日蓮上人が来て、この大石の上に座り、集まった村人に仏法を説いた。怒った法印は法論を挑んだが敵わず、数珠をすって般若心経を誦すると、上人の座る大石が虚空へ昇り始めた。上人が法華経を読み題目を唱えると石は空中でぴたりと静止し、法印がいくら祈禱しても動かない。上人が九字を切ると石は静かに元の位置へ戻った。法印は屈服して弟子となり日伝と改め、小室山は日蓮宗に改宗したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。