唐の谷の大滝へ帰った蛇の聟
どんな伝承か
西の町の竹屋敷に美しい娘がおり、見目のよい若者が通ってきて子を宿した。母親に言われるまま、娘が若者の着物の裾へ麻の苧を通した縫針を刺しておくと、糸は唐の谷の大滝へと延びていた。若者はそこで蛇の姿に変わり、滝壺の中へ入って行ったという。それきり若者が西の町に現れることはなく、月満ちて娘が産んだのは、盥に七杯半もある蛇の子だった。人々は家の裏の木立に塚を築いて子を供養した。これがおんばさまで、いまも旧暦九月九日に西の町で祭りが営まれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。