がいだが婆
どんな伝承か
東伯郡大栄町下種の藤助というひとり者が、扇の宮の近くで金の扇子を拾い、神のものだと思って小祠の前に置いた。扇の宮の神は喜び、数日して藤助の家に美しく働き者の押しかけ女房が来た。そのころ杉下の大学院という法印が倉吉へ出かけ、大谷の近くで昼寝の狐をほら貝で驚かした。帰途、同じ所で急に暗くなり、狐の花嫁行列に追われて松の大木に登ると、狐たちは肩車をして迫り、一匹が「藤助のかかあを呼んで来い」と言う。法印が一番上の狐の額を斬ると、はしごは崩れて散った。翌日、寝込んでいた藤助の妻は正体を現して逃げ、のちに狐たちが一夜で藤助の田を植え、穂の出ない稲から実の詰まった籾が落ちたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。