あまんじゃくと道空
どんな伝承か
湯蓋道空はもとから五日市にいた人ではなく、壇ノ浦で敗れた平家の流れをくむ人だという。信心深く、宮島を信仰していた。道空が漁に出ると海面一帯が急に明るくなり、いつも大漁だった。やがて釣り上げた鯛の中から黄金が出るようになり、商いをすれば損をすることがない。儲けた金は五日市の塩田をつくり、町づくりに使い、客人社を建てて黄金仏も献上した。しかし息子の道裕は父のいうことにことごとく逆らう天邪鬼で、父は平家の軍資金を津久根島に隠しているのだと思い込み、偽り者だと反抗した。道空は死に際に、墓は海に建ててくれ、と言い残し、道裕はそのとおり津久根島に墓を建てたという。道空は五日市の塩屋神社に祭られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。