竜宮の松と黄金の観音像
どんな伝承か
このあたりが一面の海だったころ、漁師が浜で網を引くと黄金の観音像がかかった。像を鶏徳寺へ納めたところ、境内の竜宮の松に火がともるようになり、寺は観音の霊験で近郷一と言われるほど栄えたという。像には海から上がったためにかき殻が付いていたので、人々はこれを落としてもらおうと京へ運んだ。ところが道中で何者かに別の像とすり替えられてしまい、以後、寺は衰え、竜宮の松にも火が見えなくなった。すり替えられた本来の観音は、いま浅草の観音として祀られていると伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。