猫山の化け猫
どんな伝承か
東城町小奴可の板井谷は猫山のふもとにあり、むかし大きなたたらがあって、砂鉄や木炭を運んでさかんに鉄をつくっていた。ある冬の晩、番子がふいごを踏む交替で外に出て猫山に向かって小便をしていると、山の方から『やあ、大きなてれつくじゃのう』と声がした。ひごろ大胆な番子は『小もうはないのう。なんと、ほおばらしょうか』といい返した。すると大きな光るものが猫山から飛び立って近づいてくる。化け猫だと気づいた番子はたたらに駆け込み、金屋子さんの下にかくれた。化け猫は屋根の上から『にゃごう』とうなりながら黒い手を入れてかきまぜたが、金屋子がかくしたといって、火の粉をふるいおとして帰っていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。