二矢をつがえて温羅を射た吉備津彦
どんな伝承か
四道将軍の一人として下ってきた吉備津彦命は、この地方で乱暴を働く温羅の一族と激しく戦った。ところが射た矢は必ず相手の矢と空中でぶつかって落ち、勝負がつかない。困っていた命の前に童子が現れ、二本を一度につがえて射れば一本は食い合い、もう一本が敵に届くと教えて姿を消した。住吉明神の助けと悟った命がそのとおりにすると矢は温羅に当たり、続けざまに射て一族を討ち果たし、吉備の国は治まった。矢が食い合って落ちた場所には矢食の宮を祀り、そのあたりを矢部と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。