今櫛山の伝説
どんな伝承か
大富城主久代景盛の息女照日の前は、中野村岩津山の胎蔵寺の花見で八鳥村蟻腰の若侍東左近と歌を交わし、深い仲になった。姫は三河内村双子山城へ嫁がされたが左近を忘れられず実家へ戻り、諭されて帰る途中、朝日山の弁天に参ると称して山へ登り、『あの向うの山の上に昼星が出ている』と一同の目をそらして池へ身を投げた。乳母桐壺が嘆くと水面に櫛が浮かび、人びとが『あれ今、櫛が』と叫んだことから今櫛の池といい、山も今櫛山と呼ぶようになった。その後空が曇って大雨となり、池から大蛇が現れた。流れ着いた駕籠の棒から棒田、鳥居から鳥居田の名が残り、今も女人の登山を禁じている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。