八畳間に満ちた大蛇と中の娘
どんな伝承か
福井・岐阜・滋賀の県境に夜叉ヶ池がある。美濃の川上村に住む大地主が、日照り続きで稲の枯れるのを見かね、みずから池まで登った。そして、三人の娘のうち望みの一人を差し出すから田に水を満たしてほしいと願う。翌朝、田は水で満たされていた。約束どおり池の主の大蛇が立派な男に姿を変えて訪れ、真ん中の娘をもらい受けたいと申し出る。男は奥の間へ入るとき、この部屋を開けてくれるなと念を押した。地主がそっとのぞいてみると、八畳の間いっぱいに大蛇が満ち、その中央に中の娘を縛りつけていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。